ダン・アリエリー『予想どおりに不合理』を打つ

ダン・アリエリー『予想どおりに不合理 増補版』早川書房、2010(文庫版あり)
 
従来型の経済理論を実際の社会に当てはめてみると、必ずしも理論どおりにいかないことがある。
著者が

「この本は、人間の不合理性、つまり、わたしたちがどれほど完璧とはほど遠いのかについて書いている」p19

 とあるように、人間の行動には、なぜか思惑どおりにいかない行動をとる。ただ、タイトルにあるようにそれは「予想どおりに」不合理であり、思惑どおりにいかない行動はそれなりに一貫性があり、不合理さを加味することによる経済理論の強化を示唆している。

なお、著者は値段の安いプラセボ(偽薬)よりも、高価なプラセボの方が効き目がある、という研究でイグノーベル賞を受賞したようです。

他にも、中室牧子 『学力の経済学』(pp.5-6)にて、試験前や論文締切の時期になると、親戚(主に祖母)の死亡率が10倍以上高くなる(本当に亡くなったのではなく、締め切りを遅らせる際の口実にされている)、というアリエリーの研究を紹介しています(詳細は『ずる:嘘とごまかしの行動経済学』にあるようです)。
 

 

 所有してしるのは増補版

 

 文庫版はまだ買っていません。「いつか買おうと思って…」としているうちに手に入らなくなる本、ではない。というところが、買うチャンスを逃している。

 

 

 

 未読