「分析」についての本をいくつか

(1)後正武『意思決定のための「分析の技術」』ダイヤモンド社、1998
筆者は分析を
「物事の実態・本質を正しく理解するための方法」
とし、その基本に
・大きさを考える
・分けて考える
・比較して考える
・変化(時系列)を考える
を挙げている。
詳細は本文を、となるが理論的な説明が中心と感じる。現役のコンサルタントなら「具体的な説明」と思うだろうが、経営に携わっていなければよく分からない部分があるかもしれない。ひとまず、分析を一言でまとめた部分の基本の四要素を頭に入れておくとよいかも。物事を考える上での基本テキストの一つとして複数回読んでいる。
 
数量データ分析の基本
(2)中室牧子・津川友介『「原因と結果」の経済学 データから真実を見抜く思考法ダイヤモンド社、2017
(3)伊藤公一朗『データ分析の力 因果関係に迫る思考法』光文社新書、2017
同じ時期に発売され、似たようなタイトルの本であり、内容も似ている。3分の1くらいはテーマが重なっている。どちらか1冊読めばよいかもしれない。どちらの本でも取り上げている「ランダム化比較試験(RCT)」の概要は知っておくとよいかも。(1)でいう「分け」方と、「比較」の側面の一部を同時に知ることができる。また、因果と相関の違いについて知ることもできる(「因果」に至るまでの道のりは意外と長い)。