ジム・コリンズ『ビジョナリーカンパニー2 飛躍の法則』を読んだ記録

「良い企業」は「偉大な企業」になれるか、そして、どうすれば偉大な企業になれるかという問いを探る 

 偉大な企業へと飛躍を遂げた企業には、野心的でありながら謙虚な指導者、適切な人材配置と目標設定、厳しくとも現実を直視する姿勢、持続性のある規律文化の構築、新技術への慎重な態度といった共通項がある。また、偉大な企業への飛躍は突然起こることではなく、好循環の積み重ねで遂げるものである。さらに、その達成を永続させるには前作の『ビジョナリーカンパニー』で挙げた明確で揺るがない基本理念などが必要となる。つまり、偉大な企業が基本理念を維持し、進歩を促す仕組みを組み合わせることでビジョナリーカンパニーとなる、というのが自分なりのまとめになります。
 
 偉大な企業にある共通項の一つである「適切な人材配置」について、この本では企業または経営者視点からの「人材」を捉えていますが、人材視点(ビジネスパーソン・労働者視点)からの「人材」について語っている(と感じた)本があり、それは『ピーターの法則』といいます。
 リクルート出身で民間人として中学校長を務めたこともある藤原和博は『本を読む人だけが手にするもの』で、『ピーターの法則』について「私の20代から30代に強い影響を及ぼし続けた本である」としています。
 藤原による説明では、昇進をうれしがっていると、「創造的無能」を演出しない限り、あなたはどんどん無能になっていく、という組織と仕事のパラドックスを著した本と紹介しています。ここでいう無能とは何か、創造的無能とは何か気になった方は読んでみてはいかがでしょうか。昨今の不祥事(≒無能の可視化)やらなんやらの流れと一致する気がし、不祥事はもはや自然現象の一種という解釈にいたるかもしれません。『ピーターの法則』は、気が向けばフィードバックします。