佐藤優『読書の技法』を読み返す
『読書の技法』にて、
読書の要諦は、この基礎知識をいかに身につけるかにある。
基礎知識は熟読によってしか身につけることはできない。(佐藤優『読書の技法』45ページ)
とある。第1章はこの文だけで完結しているように思える。
また、
まずは高校レベルの知識を基礎知識の基本と考えればよい。
このレベルの基礎力さえあれば、教養書はもとより、標準的な学術書ならば消化できるはずだ。(佐藤、115ページ)
……数学や外国語(あるいは古典や漢文)を、教科書や参考書を読むだけで理解することは不可能だ。これらの勉強は、体で覚える技術(ギリシア語でいうテクネ―)の要素があるからだ。テクネ―について、立花隆氏は『東大生はバカになったか 知的亡国論+現代教養論』(文春文庫)の中でこう述べている。
知識が覚えるものであるのに対し、テクネ―は体に覚えこませるものです。知識は講壇講義で教えられますが、テクネ―は講義だけでは教えられません。実習が必要です。実習を繰り返して体に覚えこませることが必要です。…(以降の引用文は略)… (立花、300ページ)
数学も外国語も知識の要素がもちろん大きいが、そこに至る段階でテクネ―としてある程度のことを体に覚えこませなくてはならない。(佐藤、196-197ページ)
とのこと。引用のさらに引用をすることが適切かは分からないが、ともかくテクネ―の説明にあたる部分をどの本で読んだか思い出すことができ、せっかくなので記録しておく。テクネ―の習慣ができ、満足いく基礎知識を身につけたいところ。