英語を読めるようにするためのテクネ―

英文はほぼ読めず、極力基礎レベルから始めたほうがよいかと思い、ひとまず今井むつみ『英語独習法』と、倉林秀男『バッチリ身につく英語の学び方』を読む。どちらも前半に理論編、後半に実践編といった構成となっていたが、実践編になると途端に、視界に入る英文が読めない。理論編から、究極的には語彙と文法のマスターに尽きると心得る。千野栄一『外国語上達法』も同じようなことを書いていたと思う(読み返していはいない)。

 

さらにレベルを基礎段階にしなければ、と行き着いたのが『英文法レベル別問題集1超基礎編』。問題を解くと、70%程度の正答率。チェックレベルが、

Work harder! < OK! < Way to go! < Awesome! 

とあるうちのOK!とのこと。

 

全体の3割ほど解いたところで、OK!続き。『英文法レベル別問題集』のレベル3の本まで続ければ、『英語独習法』と『バッチリ身につく英語の学び方』の実践編を有効に取り入れることができるのでは、と期待するが、英文法本3冊も完了できるか、やや気になる。

 

 

 

 

佐藤優『読書の技法』を読み返す

『読書の技法』にて、

読書の要諦は、この基礎知識をいかに身につけるかにある。

基礎知識は熟読によってしか身につけることはできない。(佐藤優『読書の技法』45ページ)

とある。第1章はこの文だけで完結しているように思える。

また、

まずは高校レベルの知識を基礎知識の基本と考えればよい。

このレベルの基礎力さえあれば、教養書はもとより、標準的な学術書ならば消化できるはずだ。(佐藤、115ページ)

……数学や外国語(あるいは古典や漢文)を、教科書や参考書を読むだけで理解することは不可能だ。これらの勉強は、体で覚える技術(ギリシア語でいうテクネ―)の要素があるからだ。テクネ―について、立花隆氏は『東大生はバカになったか 知的亡国論+現代教養論』(文春文庫)の中でこう述べている。

知識が覚えるものであるのに対し、テクネ―は体に覚えこませるものです。知識は講壇講義で教えられますが、テクネ―は講義だけでは教えられません。実習が必要です。実習を繰り返して体に覚えこませることが必要です。…(以降の引用文は略)… (立花、300ページ)

数学も外国語も知識の要素がもちろん大きいが、そこに至る段階でテクネ―としてある程度のことを体に覚えこませなくてはならない。(佐藤、196-197ページ)

とのこと。引用のさらに引用をすることが適切かは分からないが、ともかくテクネ―の説明にあたる部分をどの本で読んだか思い出すことができ、せっかくなので記録しておく。テクネ―の習慣ができ、満足いく基礎知識を身につけたいところ。

 

 

 

 

チャンクという言葉をふと思い出す

モノの記憶は苦手との意識があったが、ふとしたことから、自分なりのカテゴリーにまとめて記憶しようとすると意外とすんなり覚えることができ、かつ思い返す機会を設けると記憶が定着してくる、ような気がした。そして、以前読んだ本に、何かしらの記憶法と「チャンク」という言葉が出てきたことを思い出す。

 

「チャンク」とは、一見バラバラの情報を意味や類似性などの点から結び付けた情報のまとまりを指す。……チャンキング(チャンクにすること)は、扱いにくいコンピュータ・ファイルを圧縮ファイルに変換するのに似ている。

バーバラ・オークリー『直観力を高める数学脳のつくりかた』p67

 

思い出した当初は何を意味する言葉がよく分かっていなかったが、チャンクの説明をしている本はすぐに見つけられ、また該当箇所を探し当てると、案外、思い出すきっかけと関連が強い意味の語であったことに気づく。チャンクという語の記憶はあったものの、理解のレベルが低かったことにもなるが、理解のレベルが上がった瞬間をつかんだ実感を得られたことはよかった。

 

また、チャンキングの方法三段階は

・チャンクにしたい情報に注意を集中させる

・基本概念を理解する

・問題を反復練習して、チャンクがどういう場合に利用できるか状況を把握する

同書p91 (傍点箇所は太字に変更)

と、まとめられている。

 

 

 

 

51ノート(語彙ノート・オリジナルの単語帳)

コクヨ測量野帳(セ‐Y2)で51ノート(語彙ノート)を作成。

野帳|コクヨ ステーショナリー (kokuyo-st.co.jp)

 

作成にあたって、戸田山和久『思考の教室』p158-160(ここでワタクシの語彙ノートを公開しよう)、『教養の書』p256-258(語彙増強に近道はない―手作り単語帳のススメ)を参考に。

測量野帳(セ‐Y2)の見開き左ページに覚える語彙、右ページに意味や読み方など語彙に関する情報を記入。見開きで10語記入可能。野帳本来の使い方ではないが、サイズ感・ハードカバーのような表紙の硬さが決め手。

 

 

 

 

「分析」についての本をいくつか

(1)後正武『意思決定のための「分析の技術」』ダイヤモンド社、1998
筆者は分析を
「物事の実態・本質を正しく理解するための方法」
とし、その基本に
・大きさを考える
・分けて考える
・比較して考える
・変化(時系列)を考える
を挙げている。
詳細は本文を、となるが理論的な説明が中心と感じる。現役のコンサルタントなら「具体的な説明」と思うだろうが、経営に携わっていなければよく分からない部分があるかもしれない。ひとまず、分析を一言でまとめた部分の基本の四要素を頭に入れておくとよいかも。物事を考える上での基本テキストの一つとして複数回読んでいる。
 
数量データ分析の基本
(2)中室牧子・津川友介『「原因と結果」の経済学 データから真実を見抜く思考法ダイヤモンド社、2017
(3)伊藤公一朗『データ分析の力 因果関係に迫る思考法』光文社新書、2017
同じ時期に発売され、似たようなタイトルの本であり、内容も似ている。3分の1くらいはテーマが重なっている。どちらか1冊読めばよいかもしれない。どちらの本でも取り上げている「ランダム化比較試験(RCT)」の概要は知っておくとよいかも。(1)でいう「分け」方と、「比較」の側面の一部を同時に知ることができる。また、因果と相関の違いについて知ることもできる(「因果」に至るまでの道のりは意外と長い)。